![]() | IT業界の客先常駐について知りたい人 「ITエンジニアの客先常駐ってなんだろう? 社外で働くみたいだけど不安だな・・・。 地獄だっていう人もいるけど、メリット・デメリットってどうなんだろう?」 |
こういった悩みを解決します。
本記事のテーマ
- IT業界の客先常駐って?
- 客先常駐のメリット・デメリット【12選】
- 客先常駐を地獄にするのは悪い会社【企業選びが重要】
この記事を書いている僕は、IT業界で営業と採用歴が8年。
キャリアコンサルタントの資格も持っています。
そんな僕が、客先常駐のメリット・デメリットについて解説したいと思います。
- メリット:8つ
- デメリット:4つ
客先常駐について理解を深めてもらい、「どんな働き方をしたいか?」を考えるきっかけになればと思っています。
それでは、見ていきましょう!
IT業界の客先常駐って?

「客先常駐」とはエンジニアが「自社」ではなく、「取引先」で日々仕事をすること。
IT業界では一般的ですが、他業界では珍しい働き方です。
なぜ客先常駐が発生するの?
理由は、IT業界は人手不足だから。
他社からエンジニアがフォローに来てくれないと仕事が回りません。

経済産業省の予測では、2030年には最大79万人もIT人材が不足するとされています。
そのため、大手企業でも人材不足は深刻です。
プロジェクトの達成には、「自社」だけではなく、「他社」エンジニアの協力も必要なため、客先常駐が重要になっています。
「客先常駐=SES事業」は違います
客先常駐は「SES事業」だと勘違いしている方が多いです。
SES事業は「準委任契約」をむすび、エンジニアは他社で働き、技術力や労働力を提供するサービスのことをいいます。
あくまで、一つのサービスや契約なだけであり、客先で働くから全てがSESというわけではないです。
また、客先常駐=中小企業と勘違いしている方も多いです。
上場企業や大手Sierでも客先常駐で働くことはあり、売上の多くを占める会社もあります。
客先常駐だから、SESや中小企業だなという先入観は捨てましょう。
地獄みたいに言われるけど、そんなことない
客先常駐は地獄みたいに言われるけど、そんなことないです。
ぶっちゃけ、次の2点だと思います。
- 働き方が自分にあっているのか?
- 所属する会社は良い会社なのか?
なんとなくで客先常駐は悪いと決めつけてしまわず、メリット・デメリットを理解してから判断した方がいいと思います。
先入観で決めつけるのはもったいないですよ。
客先常駐のメリットは8つくらいある

具体的なメリットは次のとおりです。
- いろんな環境や技術に触れられる
- 人脈を広げることができる
- 自分の仕事に集中できる
- 残業が少ない
- 責任が少ない
- 嫌な人と離れることができる
- 独立・フリーランスを目指せる
- 未経験でも入社しやすい
それぞれ、紹介していきます。
①:いろんな環境や技術に触れられる
理由は、さまざまなプロジェクトにかかわれるからです。
自社だけの場合、会社の得意な分野に特化してしまい、一定の技術にしか触れられないことが多いです。
常駐開発は定期的に客先がかわるため、いろいろな業界や技術に触れることができます。
自社だけでは学べないことを、客先常駐では学べるのです。
②:人脈を広げることができる
プロジェクトごとに、新しい人と仕事ができます。
自社だけでの勤務では、出会える人数に限界がありますので。
客先常駐では、多くの人から価値観や仕事について学ぶことができるので、自己成長につなげれます。
また、人脈が広げられるので、転職活動など困ったときに、相談できる相手が増えるのもメリットです。
③:自分の仕事に集中できる
客先常駐では、任された自分の仕事に集中できます。
自社では「自分の仕事」だけではなく、「余計な雑務や別プロジェクト」をフォローするなど、予期せぬ仕事をすることがあります。
客先常駐では、顧客との契約関係の中で仕事をするので、任された自分の業務が第一優先です。
ちなみに、スケジュールより早く終わったときは他の人のフォローをしてあげましょう!

現場によりますが、メッチャ感謝されることがあります!
④:残業が少ない
なぜなら、客先との契約関係で仕事をするからです。
客先常駐では、指定された時間より仕事をすると、「超過金額」が発生する契約がほとんどです。
そのため、炎上やスケジュール遅れの案件でなければ、比較的に残業は少ないのです。
昔より労働時間も厳しくなっているので、他社のエンジニアに残業を強制しなくなっています。
どうしても終わらないときは、自社の社員だけ残って対応するなど、常駐エンジニアへの残業は少なくなっています。
⑤:責任が少ない
メイン担当は客先のエンジニアだからです。
SESや派遣で客先に常駐するときは、業務の責任者になることはありません。
また、SESの準委任契約では、「システムの完成」ではなく、「働いた時間」が成果になるため、重い責任をもつことは少ないです。
ただし、請負契約で客先に常駐している場合は、システム完成までの責任を持ちます。
⑥:人間関係をリセットできる
契約が終われば、嫌な人との関係をリセットできます。
自社で働くと嫌な人がいる場合、ずっと一緒に仕事をしなければなりません。

最悪、どちらかが辞めるか、先に定年を迎えるまで関係は続きます…。
客先常駐は契約が終わるごとに、プロジェクトがかわるため、嫌な人とはそのプロジェクト限りで、やりきれるのです。
⑦:独立・フリーランスを目指せます
客先常駐では、フリーランスや独立したエンジニアが多く働いています。
フリーランスだと自宅で依頼を受けて、ウェブやアプリを開発するイメージがありますが、客先で働いている方は多いです。
スキルを身につけたら、客先で知り合った人脈を使い、仕事を紹介してもらって働くことができます。
また、フリーランスに案件を紹介している会社もあります。
IT業界は人材不足なので、フリーランスとしてキャリアを積むのも方法です。
ぶっちゃけ、フリーランスの方が稼げますからね。
⑧:未経験でも入社しやすい
IT人材が不足のため、「未経験から育てよう」という会社が多いからです。
中小企業では、プロジェクトの依頼はあるけど、人がいなくて対応できないことがほとんど。
経験者の採用では大手に負けてしまうため、未経験者を一からエンジニアに育てることが、中小企業の生き残る方法なんです。
IT業界に転職を考えている人にとっては、メリットじゃないでしょうか。

やる気がある人であれば、積極的に採用しています!
明確なデメリットは4つです

客先常駐のデメリットは次の4つです。
- 人間関係がリセットされてしまう
- 帰属意識が薄れる
- 評価が見えづらい
- 当たりハズレがある
具体的に説明しますね。
①:人間関係がリセットされてしまう
メリットでもお伝えしましたが、人間関係がリセットされてしまいます。
常駐開発では、プロジェクトが変わるたびに、新しい人と関係をつくる必要があります。
メリットでもありますが、新しい人と仕事するのが苦手な人はデメリットにもなります。
②:帰属意識が薄れる
職場が「自社」ではなく、「他社」になるからです。
自社メンバーで同じプロジェクトにかかわるときは良いですが、案件によっては一人で参加することもあります。
数年単位で一つのプロジェクトにかかわったりすると、自身の所属する会社が良く分からなくなってしまいます。
会社によっては、帰社日やイベントなどを定期的に開催したりしていますが、帰属意識は薄れやすいと思います。
③:評価が見えづらい
次のような点で、評価が見えづらくなります。
- プロジェクトごとに内容が違ってしまう
- 評価者が同じプロジェクトにいないことがある
- 頑張りが見えづらい
あくまで職場が他社になるので、上記の点で見えづらくなります。
ただ、キチンとした評価をする、客先常駐の会社はありますので確認しましょう。
④:プロジェクトに当たりハズレがある
結論、いろんなプロジェクトがあるからです。
- スキルアップができる
- 毎回定時上がり
- 現場の人が良い人ばかり
- 聞いていた内容と違うことをさせられる
- 炎上中でいつ終わるか分からない
- 現場の人間関係はギスギスしている
現場担当と事前に面談がありますが、当たりハズレは入ってみないとわかりません。
自社の担当が事前に確認してくれていれば、大ハズレはないですが、それでも確実ではありません。
客先常駐を地獄にするのは、悪い会社があるから

自分が所属する会社選びが超重要です。
常駐は地獄みたいに言う人がいますが、「それは違うな~」と思っています。
客先常駐を地獄にしてしまう、悪い会社があるだけです。
社内開発も客先常駐もメリット・デメリットはあります。
「どんな働き方をしたいか」で、「どっちが良い悪いではない」と思います。
- 会社都合だけでプロジェクトを決める
- フォローやヒアリングがない
- 自社のイベントや帰社日がない
- 評価があいまい
- 未経験なのに研修がない
- エンジニアを使い捨てのように扱う
このような会社で客先常駐をしてしまうと、二度とやりたくないと思ってしまいます。
悪い会社の特徴
個人的に見分けるポイントとしては、下記かなと思います。
- 未経験エンジニアの研修があいまい(自己学習が基本)
- 事務やコールセンターなど、エンジニアではない案件にもかかわる
- プロジェクトが決まらず、待機のときは給与減額
特に未経験からITエンジニアへ転職を考えている人は、数カ月でキッチリ研修をしてくれる会社を選んだ方が良いと思います。
エンジニアとして入社したのに、事務しかやらせてもらえないなど悪質な会社もありますからね・・・

入社したあと、エンジニアとして仕事したいなら、「自分で資格とってね」という会社もあります・・・。
まとめ

今回は下記についてお伝えしました。
- IT業界の客先常駐って?
- 客先常駐のメリット・デメリットは?
- 会社選びが重要(客先常駐は地獄じゃない!)
うわさや印象に惑わされず、どう働きたいのか考えてみてください。
もし会社選びで失敗してしまっても、エンジニアは売り手市場なので転職はしやすいです。
あきらめず、自分にあった会社や、働き方を探してみてください。
それでは、今回はこのくらいで終わりたいと思います。
最後までお付き合いありがとうございました!