SES

SIerとSESの違いとは?メリット・デメリットも解説【ポイントは4つ】

SIerとSESの違いを知りたい人

「SIerとSESの違いってなんだろう? そもそも、SIerとSESって何…? エンジニア視点でメリット・デメリットも知りたいな!」

このような疑問にお答えさせていただきます!

本記事のテーマ

  • SIerとSESとは?
  • SierとSESの違いとは?【4つのポイント】
  • SIerとSESのメリット・デメリットについて

この記事を書いている私は、SES業界で営業を8年ほど経験。

中小のSES企業から、大手SIer、エンド企業まで幅広く付き合いがあります。

こういった経験をもとに、「SIerとSESの違い」を重要なポイントに絞ってまとめました!

Sierとは?SIについても説明

「SI」とは「システムインテグレーション」の略語。

企業が希望するシステムを「企画から開発・運用」まで、すべてを請け負うサービスです。

  1. 企画・提案
  2. 要件定義
  3. 設計
  4. 開発
  5. テスト
  6. 運用・保守・管理

例えば、銀行のATMです。

銀行から「全国でお金の引落・振込・預入をするシステム(ATM)」を作って欲しいと依頼があったら、そのシステムをつくります。

  • どんなシステムにするか?
  • 機能はどうするか?
  • 金額はいくらか?
  • どう作るか?
  • どう管理していくか?

銀行の要望を聞きながら、ATMのシステムをつくっていきます。

そして、SI業務をする事業者を、「SIer(システムインテグレーター)」と呼びます。

ちなみに「SIer」は造語なので、海外では通じないのでご注意を!

SESとは?

「SES」とは「システムエンジニアリングサービス」の略語。

客先が希望する、エンジニアの紹介(労働力・スキルの提供)をするサービスです

  • 客先の希望にあわせて、エンジニアを紹介
  • エンジニアは客先常駐で、プロジェクトごとに業務
  • エンジニアの働いた時間(技術・労働力提供)で売上発生

具体的には、次のような客先にエンジニアを紹介します。

  • プロジェクトはあるけど、採用ができない
  • 人を採用するほどでは無いが、プロジェクトはある
  • 開発工程だけお願いしたい

プロジェクトごとで、必要なエンジニアに働いてもらえるのが、SESの特徴です。

SierとSESの違いとは?【4つのポイント】

4つのポイントで解説します。

  • その①:責任の違い
  • その②:契約の違い
  • その③:役割の違い
  • その④:必要なスキルの違い

その①:責任の違い

SierとSESの責任の違いは、次の通り。

  • SIerの責任:依頼されたシステムを「完成した状態で納品」すること
  • SESの責任:依頼された期間に「業務をおこなう」こと

SIerは、システムを納品するまで売上が発生しません。

理由は、システムが完成するまでの責任が、すべてあるからです。

ただし、SESは違います。

SESは「ITエンジニアの労働力を提供するサービス」のため、システムの完成や納品に責任はありません。

指定された期間に仕事をしていれば、報酬が発生します。

雷音
雷音
責任は無いからって、手を抜くのはNGです。

SierとSESの責任の違いは、「システムの完成・納品までに責任があるか無いか」がポイント。

責任の重さは、圧倒的にSIerが上ですが、上流工程からかかわれるため、売上が高いなどメリットもあります。

その②:契約の違い

SIerの契約:請負
SESの契約:準委任(SES契約)、派遣

SIerは「依頼されたシステムを、完成した状態で納品すること」が責任となる、「請負契約」をするのが基本です。

SESは「依頼された期間に業務をおこなうこと」が責任になるため、「準委任(SES契約)」か「派遣契約」となります。

ちなみに「準委任契約=SES契約」です。

成果の判断が「働いた時間」か「システム納品」で契約が変わります。

それぞれの契約の違いは、一覧をご覧ください。

契約名SES
(準委任契約)
派遣請負
指揮命令なし
※エンジニア側
あり
※現場側
なし
※エンジニア側
成果の判断働いた時間働いた時間システム納品
完成の責任なし
※責任なし
なし
※責任なし
あり
※責任あり
報酬の支払毎月毎月システム納品後
免許なしあり
※一般派遣
なし

詳しくは下記の記事にまとめてあります!

SES契約とは?派遣・請負との違いをまとめて解説【営業必読】 SES契約と派遣、請負の違いが分からない人 「SES契約ってイマイチ分からないな…準委任契約?派遣?請負?いろ...

その③:役割の違い

SIerは「上流工程」・SESは「下流工程」フェーズが多いです。

フェーズ(工程)SIerSES
要件定義
基本設計
詳細設計
開発・製造
テスト
運用・保守

SIerは企画段階からプロジェクトにかかわるため、「要件定義・基本設計」の上流工程がメイン。

具体的には、「客先との折衝」「プロジェクト管理」「設計書作成」が求められます。

SESは全体的にかかわりますが、下流工程と呼ばれる「開発・テスト」フェーズが多いです。

その④:必要なスキルの違い

SIerとSESのエンジニアでは、求められるスキルが違います。

SIerエンジニア

  • 客先との折衝力
  • プロジェクト管理力
  • システム開発全体のスキル

SESエンジニア

  • 得意分野のスキル
  • コミュニケーションスキル
  • 環境適応スキル

詳しくご説明します!

SIerスキル①:客先との折衝力

システム開発の企画段階からかかわるため、折衝力は重要。

  • 要望のヒアリング
  • 納期の調整
  • 予算の交渉

客先の要望に応えながら、自社の利益や負担を調整する能力です。

客先の希望すべてに答えるのは難しい。

「決められた予算・納期」で客先の要望に応えながら、ベストな選択をすることが、SIerには求められます。

SIerスキル②:プロジェクト管理力

次の5つの管理スキルが必要。

  • スケジュール
  • 予算
  • 人員(リソース)
  • 品質
  • リスク

SIerのエンジニアは、リーダー以上の立場でプロジェクトにかかわることが多くなります。

プロジェクトを成功させるには「管理力(マネジメント)」が重要です。

SIerスキル③:システム開発全体のスキル

「スペシャリスト(専門家)」より「ジェネラリスト(幅広い知識・経験)」です。

SIerは、要件定義・設計・開発・テストと、全部の工程にかかわります。

そのため、一つの分野ではなく、幅広い知識とスキルが必要です!

SESスキル①:得意分野のスキル

「ジェネラリスト(幅広い知識・経験)」より「スペシャリスト(専門家)」かなと。

SESは必要なプロジェクトの増員として、エンジニアにオファーがあります。

そのため、「何でもできるけど平均的」のエンジニアより、「求められている分野に特化」したエンジニアが好まれます。

SESで活躍するには、自信がもてる得意分野を作ることです!

SESスキル②:コミュニケーションスキル

SESは面談でのアピール力が重要。

プロジェクトに参加する前に、客先との面談があります。

客先:スキル・人物面
エンジニア:プロジェクトの内容・状況

上記をお互い確認します。

この時、スキル以上に見られるのが人物面(コミュニケーション力)です。

具体的には「この人と働きたいかどうか」が重視されます。

ぶっちゃけ、スキルが足りなくても、コミュニケーション力が高ければ、オファーをもらえることも多いので。

SESスキル③:環境適応スキル

新しい環境、いろんな人と仕事をするスキルが必要。

SESはプロジェクトが終われば、次の客先へ移動して、別プロジェクトに参加します。

同じ会社メンバーは誰もおらず、一人の場合もあります…

そのため、新しい環境にあわせて仕事をできるかが求められます。

SIerとSESのメリット・デメリット

エンジニア視点でお答えします。

メリットデメリット
SIer
  • 給与が高い
  • 上流工程にかかわれる
  • 市場価値が高くなる
  • 責任が大きい
  • マネジメント力が必要
  • プログラミングが身につかない
SES
  • 残業・責任が少ない
  • やるべきことが明確
  • 新しい環境や技術に触れられる
  • 給料が安い
  • 評価がみえづらい
  • 当たり外れがある

ご説明します!

SIerのメリット

SIerのメリットは次の3つ。

  • 給料が高い
  • 上流工程にかかわれる
  • 市場価値が高くなる

システム開発は、複数の会社がかかわる多重請負構造でされます。

元請SIerの場合、利益やプロジェクトのコントロールが可能です。

マージンも抜かれないため、売上が高くなり、給料も高くなります!

また、上流工程を経験しているエンジニアは超貴重。

SIerで活躍したエンジニアは、市場価値が高い人材になれます。

SIerのデメリット

  • 責任が大きい
  • マネジメント力が必要
  • プログラミングが身につかない

SIerは請負契約のため、システムを納品できなければ売上は0円。

予定スケジュールが遅れれば、自社で費用負担もしなければなりません。

そのため、責任が大きいのが特徴。

また、システム開発全体にかかわりますが、上流工程がメイン業務です。

マネジメントや管理業務興味が無く、開発やプログラミングをやりたいエンジニアにとっては向いてないと思います。

SESのメリット

メリットは3つ。

  • 残業・責任が少ない
  • やるべきことが明確
  • いろんな環境や技術に触れられる

SESは「働いた時間」が成果になるため、システムを完成させる責任はありません。

指定した時間を超えて仕事をすると「超過金額」が発生する契約がほとんど。

そのため、作業時間の調整がされやすく、残業が少なくなります。

また、SESはプロジェクトごとに契約します。

定期的にプロジェクトが変わるため、新しい「環境」「人」「技術」に触れて仕事をしたい人にはオススメです

SESのデメリット

下記の3つがデメリット。

給料が安い
評価がみえづらい
当たり外れがある

SESは多重請負構造の一番下に位置します。

マージンが抜かれるので「売上が低い=給料が低い」

また、1人でプロジェクトに参加することも多く、社内からの評価が見えづらくなります。

雷音
雷音
社内の人がいないから、帰属意識も薄れることも…

いろんな環境で仕事ができるのはメリットですが、プロジェクトによっては当たり外れもあります。

  • 雰囲気が悪い
  • 残業が多い(炎上している)
  • リーダーとあわない・・・など

SESは責任が少ないかわりに、プロジェクトに振り回されるデメリットがあります。

最後に:SIerとSESを選ぶのに正解はない【自分が重要】

自分にあった働き方ができる会社を選べばOK。

「大手が多いからSIerを選んどけ!」だと失敗します。

SIer:プロジェクトマネージャー/上流工程/顧客折衝
SES:プログラマー/いろんな環境で業務/責任が少ない

上記のキーワードを基準に選べばいいと思います。

また、SIerとSES両方の働き方ができる会社もあります。

今回の「SIerとSESの違い」を参考に、自分自身が「どんな働き方がしたいか」を考えてみてくださいね!

それでは、今回はこの辺で。
最後までありがとうございました!