
SESのメリット・デメリットを知りたい人
SESのメリット・デメリットを知りたい!
IT業界に就職したけど、納期が短いから当然のように残業していて困っています…
SESは残業が少ないメリットがあるって聞いたけど、本当なのかな?
ただ、ネガティブな意見も聞くので、SESで働くメリット・デメリットを教えてほしいな。
こういった悩みを解決します。
本記事のテーマ
- SESで働くメリット【7選】
- SESで働くデメリット【5選】
- SESで働くことをオススメしたい人
この記事を書いている僕は、IT業界15年。
SESでは人事・営業を8年ほど経験しているので、現場とマネジメントの視点からアドバイスができるかなと。
結論から言うと、SESが悪いと言われている話のほとんどは、「SES契約が悪いのではなく、所属している会社が悪い」ということ。
ぶっちゃけ、SESという働き方は「新人から3年目くらいの若い世代には、良い選択肢の1つ」です。
そんな今回は、SESのメリット・デメリットを解説しつつ、
SESで働くことをオススメしたい人をご紹介していきます。
※「メリットデメリットを早く教えてくれ!」という方は、こちらをタップすると先読みできます。
\先読みするならコチラ!/
SESとは?

SESとは、「System Engineering Service(システムエンジニアリングサービス)」の略。
「準委任」と呼ばれる契約で、エンジニアに客先のプロジェクトで働いてもらう事業です。
「請負」や「派遣」と勘違いされていることもありますが、契約内容が違います。
ここでは「客先に常駐してエンジニアとして働くこと」と思ってもらえれば大丈夫かなと。
もっと詳しくSESについて知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

SESで働くメリット【7選】

SESで働くメリットは7つ。
- その①:責任が少ない
- その②:残業が少ない
- その③:いろいろなプロジェクトを経験できる
- その④:人脈が広がる
- その⑤:大手・有名企業で働ける
- その⑥:引き抜きされる可能性がある
- その⑦:エンジニア初心者でも採用される
SESに対するネガティブな意見もありますが、SESの特徴を生かせていないことも原因かなと。
ここでは、SESのメリットについて解説します。
その①:責任が少ない
SESではシステムやソフトウェアなどを納品する必要はありません。
SESは「労働力の提供に対してお金をもらう」ので、システムの完成に対しては責任がない。
具体的に言うと、「働いた時間がお金になる」ということ。
契約名 | SES (準委任) | 派遣 | 請負 |
---|---|---|---|
成果 | 働けばOK | 働けばOK | システムの納品 |
責任 | なし | なし | あり |
報酬 | 毎月 | 毎月 | システムの納品後 |
納品する必要があるのは「請負契約」の場合だけ。
ただ、責任がないからとサボったりするのはプロ失格です。
SESは「失敗を恐れずに、いろいろと経験を積んでスキルを身につけられる働き方」と言えるでしょう。
参考記事:SES契約とは?派遣・請負との違いをまとめて解説【営業必読】

その②:残業が少ない
SESでは残業が少なくなる傾向があります。
なぜなら、クライアントは「働いた時間で報酬を支払う」から。
指定時間を超えると「超過金額」が発生する契約が多いため、
残業が少なくなるよう仕事の調整をしてくれます。

契約があるから、無理な残業はさせられないってことですね !

そうです!むしろ、プロジェクト先の社員の方が、残業は多かったりするよ。
残業が少ないSESなら、空いた時間でプライベートを満喫したり、独学で勉強する時間に使ったりできます。
その③:いろいろなプロジェクトを経験できる
SESでは1つのプロジェクトが終わると、次のプロジェクトへ移ります。
プロジェクト単位ではなく、働く企業が変わることも珍しくありません。
企業やプロジェクトによって、「仕事の仕方」・「ノウハウ」・「必要なスキル」が違うので、転職をしないのに転職に似た経験ができるのがメリットかなと。
また、プロジェクトが合わない場合も、転職をせずに職場を変えられます。
- スキルアップができない現場
- パワハラ・セクハラをする人がいる
- 聞いていない休日出勤などが多い
このような場合ですね。
ちなみに、職場を変えるのはネガティブな理由だけではありません。
最近の転職市場では、いろいろな職場経験がある方が、転職を有利にできることがあります。

なんで、いろいろな経験があったほうが良いの?

1つの企業でしか通用しない考え方・スキルが身についてしまっていると、
新しい環境だと活躍できないからだよ。
転職が多すぎるとあきっぽいと思われてしまいますが、
SESでは同じ会社に所属したまま、いろいろな職場を経験できます。
さまざまな企業や職場を経験できるSESなら、今後のキャリアにとって大きなプラスになるでしょう。
その④:人脈が広がる
社外のいろいろな人と一緒に仕事ができるので。
例えば、次のような方々です。
- 上場企業のプロジェクトマネージャー
- ITベンチャーで現場で開発もしている社長
- 独立しているフリーランスエンジニア
多くの人と一緒に仕事ができるのは、エンジニアにとってスキルアップにつながります。
また、将来的に独立・転職を考えたときに、人脈を広げておけば相談しやすくもなります。
その⑤:大手・有名企業で働ける
就職することがむずかしいような大手・有名企業で働ける可能性があります。
大手や有名企業でもSESで人を探しているので。

社食が無料だったり、マッサージルームがあったり、働きやすい会社がたくさんあったよ!

将来、どんな会社で働きたいか考えるきっかけにもなるよね。
職場環境は実際に働いて経験してみるしかありませんが、このような機会を得られるのもSESの魅力かなと。
その⑥:引き抜きされる可能性がある
高いスキルが認められ、現場で信頼された証明ですね。
引き抜き先がどういった環境や風土なのか分かったうえで、リスクを抑えて転職ができます。
しかも、引き抜きなら待遇も良くなります。
ただし、単なる人手不足のために引き抜きの声をかけられている可能性もあるので、しっかりと見極めましょう。
あと、引き抜きは違法じゃないので、ご安心を。
詳しくはSESの引き抜きは違法?バレる?トラブル・訴訟の事例を紹介【原則はOK】】でまとめています。

その⑦:エンジニア初心者でも採用される
IT業界は常に人材不足。
これは、大手企業でも変わりません。
ただし、人手不足の対策は企業ごとに違います。
- 大手SIer:経験者の採用・SESで人材を集める
- 中小SES:経験者の採用がむずかしいので、初心者エンジニアを採用して育てる
つまり、エンジニア初心者でもSESなら採用される上、大手の職場でスキルを身につけることができます。
未経験からでも、手に職がつくエンジニアに挑戦できるのは嬉しいですね。
けど、「なぜ、IT業界が常に人材不足なのか?」は考えましょう。
それは、「スキルのある人材が不足」しているから。
エンジニアとして食べていきたいと考えている人は、採用された後も努力し続けるのが重要です。
SESで働くデメリット【5選】

ぶっちゃけ、SESはメリットと同じくらいデメリットもあります。
ただし、自分の考えしだいで解決できるものも多いですし、
将来のキャリアを考えたときにマイナスになるものばかりではありません。
- その①:下請けになるので年収が低くなりやすい
- その②:運で現場が決まる
- その③:自社に評価してもらいにくい
- その④:自社メンバーとの関りが少ない
- その⑤:常駐によるストレスがある
1つずつ見ていきましょう。
その①:下請けになので年収が低くなりやすい
SESは3次請け4、次請け、5次請けでも受注できる契約。
ただし、下の方に行けば行くほど報酬は低くなります。

こんな感じですね。
下請けすぎるSES企業に入社すると報酬は低くなるので、年収が低くなりがちです。
しっかりとスキルを磨いて、給与アップや転職できる力をつけるようにしておきましょう。
SESの年収は500万が限界?給料が安い・上がらない理由と交渉方法を解説で詳しい対策を紹介しています。

その②:運で現場が決まる
SESでは、現場が『運』で決まる「案件ガチャ」と呼ばれるデメリットがある。
いろいろな企業、案件に関われることはメリットですが、
炎上しているプロジェクトだったり、ひどい現場に行かされることがあります、、、。
炎上プロジェクトに入ってしまった時に、自社のサポートがしっかりとあるかどうかは重要なポイントです。
体調面やメンタルのケアであったり、最低限実務に必要なスキルを学ぶことができる環境が用意されるかなど。
こういったサポートがない会社は転職を考えるべきです。
そんな会社にこだわる理由がありませんので。
このあたりは、【公開】SES案件ガチャの攻略法は5つ!【なぜ起きるかも解説】でも詳しく説明していますのでご覧ください。

その③:自社に評価してもらいにくい
なぜなら、客先に常駐しているため。
自社で仕事をしていないので、評価がしてもらいにくいです。

評価してもらうにはどうしたらいいの?

現場での仕事を頑張るしかないです…。あとは会社がどう判断するか…。
現場で頑張っていればクライアントからの評価も高まり、自社にその評判が伝わります。
ある意味、自社の人間に評価してもらうより効果が高い方法です。(悪い評判はもっと早く伝わるから注意ですが…。)
引き抜きの話も出てくる可能性がありますから、仕事は真剣に取り組むようにしましょう。
その④:自社メンバーとの関りが少ない
SESはクライアント企業に常駐するため、自社への出勤は通常ありません。
別のプロジェクトや企業で働いている自社の人とは、「年末の忘年会でしか会ったことがない」というようなことも…。
自社への帰属意識が低くなり、モチベーション低下につながってしまいます。
こういったことを防ぐために、企業によっては月1回自社に戻って作業をする日を設けたりしています。
その⑤:常駐によるストレスがある
SESは客先常駐なので、「変化が多い」働き方です。
プロジェクトごとに職場のルール、雰囲気、働く人が変わるため、慣れるまでストレスがある。
エンジニアという仕事の本質は変わりませんので、ある程度回数をこなすと環境の変化に柔軟に対応できるようになります。
とはいえ、客先常駐のストレスが辛いという人がいるのも事実。
このあたりは「【現場を変えたい】客先常駐でストレスがやばいなら環境を変えよう!理由と対策を解説」で解決法をご紹介しています。

SESで働くことをオススメしたい人

これまでメリット・デメリットをお伝えしてきましたが、SESは向き・不向きがある働き方。
オススメしたいのはこのような人です。
- 新しい環境でいろいろな人と働き刺激を受けたい
- 未経験からエンジニアを目指したい
- 将来フリーランスとして活躍したい
順番に解説します。
新しい環境でいろいろな人と働き刺激を受けたい
いろいろな企業、プロジェクトに関わることができますので。
働く人もさまざまなので、ステキな出会いもあります。
すごく仕事ができて尊敬できる人、フリーランスで独立している人、外国籍で英語がペラペラな人…などなど。
いろいろな人と出会い、いろいろな考え方に触れられることは、今後の人生で必ず役に立つ経験かなと。
未経験からエンジニアを目指したい
未経験でも現場で経験を積むことができるのがSESの魅力。
SESをスタート地点にして、エンジニアとしての価値を高め、
給与アップ、好待遇の会社への転職、フリーランスなど、さまざまな可能性を開いていくことができます。
注意点としては、未経験のまま現場に入れられて放置するような会社もあること。
キチンとキャリアを考えてくれたりサポートしてくれる会社を選ぶようにしましょう。

将来フリーランスとして活躍したい
SESは将来フリーランスを目指すには、ベストな環境です。
なぜなら、必要なスキルの獲得、人脈づくりができるので。
将来的に独立したい方は、SESで働いていた経験は役に立つでしょう。
最後に:エンジニアの職場選びで重要なこと

次の2つです。
- どんな働き方をしたいか
- 優良企業を見つけられるか
なぜなら、自分がしたくない働き方は不幸になるし、働くなら優良企業がいいからです。
どんな働き方をしたいか
自分将来を考えましょう。
例えば、エンジニアのスペシャリストとして食べていきたいとか、現場の経験を活かしてプロジェクトマネージャーになりたいなどですね。
まだわからない、見つけられないという方は、IT系の転職エージェントに相談してみましょう。
無料でIT転職のプロがサポートしてくれて、一緒にキャリアプランを考えてくれますので。
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参考記事:【SE必見】IT転職エージェントおすすめ10選!SES・SIerエンジニア向けに経験・職種別で紹介

優良企業を見つけられるか
SESが悪いという話は、SES契約が悪いのではなく、所属している会社が悪いことがほとんど。
SESの会社でも、優良企業は多くあるので安心してください。
- 年収が高い
- スキルが身につく
- 有給が取りやすい
- 福利厚生が充実
- 評価体制が明確
などなど。
SESで経験を積んでみたいという人は、
人を大切にしてくれて、自分の価値を高められる優良企業を見つけましょう。
このあたりは、「【簡単発見】SESの優良企業を見つける方法とは?【5つのポイントを紹介】」を参考にしてください。

というわけで、今回は以上です。
SESのメリット・デメリットを理解して、エンジニアとして楽しく働いていきましょう。